北斗の拳の思い出

私が小、中学生のころといえば8ビットゲーム機全盛の時代で、私の学校でも「ファミコン派」「セガマークIII派」に分かれていがみ合っていたことがありました。今でこそハード信者同士が言い争いがネットでは盛んなようですが(個人的には全くもって不毛なことだと思いますけど)、ローカルレベルでの信者対立なんてのは昔からあったんだと思うのです。

当時の私は根っからのファミコン派だったのですが、そんな中でもマークIIIに対して憧憬の念を抱いていた部分もあります。多色キャラの鮮やかな画面や、次々と移植される大型体感ゲーム(出来はどうあれ、家で同じタイトルのゲームが出来る、っていうその事実だけがものすごく大きかった時代だったのです)…、その中でひときわ輝いていたのはマークIII版「北斗の拳」でした。

特に、当時CMでも流れていた「北斗百烈拳」のシーンは実に美しかったのです。最初はじわりじわりと拳が入り、次第に加速して最後は目にも留まらぬ速さになる攻撃は、静止画であったマンガをまさにイメージどおりに動画にしていた、そんな印象がありました。一方、FC版の「北斗の拳」。ケンシロウの「あたたたた」の声っぽいSEや、ザコの秘孔でボコボコになっていく感はなかなかよかったのですが、シンとの対決での「北斗百烈拳」が実にしょぼく(確か、パンチのみで倒せば連続攻撃でなくても百烈拳になってしまう)、どうしてもマークIII版に比べると見劣りしてしまうのが非常に残念であり、くやしくもあり、マークIIIがどうしてもうらやましくてしょうがない、そんな印象を抱かせました。

そのゲームがついに任天堂ハードに移植ですか…。感慨とともに当時を思い出して、なんだかとっても切なくなります。