PSPとDS

というわけでE3も終わり、情報もだいぶ落ち着いてきた感のある両ハードですが、私の感想としては

という、誰でも思いつきそうなところに行き着きました。まぁ、発表されたハードスペックだけではどっちがすごいともどっちが売れそうだともいえないですな。

PSPソニーらしくメディアプレイヤー的な側面を押し出してきました。そこで気になるのが「独自のメディアを採用」してきたところです。つまり、現状世にあふれている映像/音楽メディアとは互換性がないというわけで、よっぽど充実したコンテンツラインナップがないと、この方向性は失敗するのではないかと思います。さらに、冷静に考えてみると、外出先に持ち歩いてまで見たいコンテンツって何?映画?PV?そう考えると、「そこまでして見なくても…」と思えてきたりするもので、これが意外と必要なかったりするものです。あるいは自分でコンテンツを作れる(記録できる)しくみがあれば、ウケるかもしれません。私は「DVDウォークマン」なんてマニアックなシロモノを持っていますが、市販のDVDソフトを見るだけだったら、正直ほとんど使い道のないものですが、これをたとえばDVDレコーダと組み合わせると、俄然使い道が増えます。通勤中でドラマの一本も鑑賞できますからね。

それと気になるのが、ディスクメディアを採用してきた点。Spin Upして読み込みが始まってデータがメモリに展開されて…起動までどのぐらい短時間で出来るかって、こと携帯ガジェットには重要なファクターだと思います。起動だけではありません。電源切るときもすぐ切れるかどうかってのも。ホームの待ち時間とか電車の中でのちょっとした暇つぶし、なんてユースケースを考えると、実はとても重要だと思うのです。携帯のJavaアプリなんかも妙に起動の遅いものがあったりすると、それだけで1,2駅過ぎちゃったりしますもんねぇ。これに対する回答をSCEがどのように見せるのか、気になるところではあります。

かつてのPCエンジンのコア構想以来、汎用性、拡張性を考えたゲームハード構想はいまだ胸を張って成功したといえるものがありません。「ホームネットワークの中核に!」と鳴り物入りで発表したPS2も、結局オンラインゲームの端末程度にしかなりませんでした。PSPで描いた未来がどの程度実現するのか、見ものです。

一方でDSは非常にチャレンジングなハードです。一見飛び道具的なハード構成になっている一方で、新しい使い方楽しみ方を提案するという面では非常に面白そうではあります。が、やはりそのネックは、そのハードをうまく使った魅力あるソフトが出せるか否か、にかかってくるんですよね。

その昔、SFCを出した任天堂は、単なる演出の道具と思われた回転拡大縮小をレースゲームのコースマップにすることで、レースゲームという手垢のついたジャンルに新たな可能性を示しました。それと同じように、多分本家はそれなりのソフトを用意してくるでしょう。それをお手本にして、サードパーティがさらに発展した使い方を提案してくる…ような展開に出来ればいいんでしょうけど、今発表されているソフトラインナップを見るかぎり、なんかどっかで見たようなタイトルばかりなのが気になります。どうも、ゲームボーイの枠組みから脱却できてないのがありありと見えて、正直心配でなりません。

そう思えば「GBAとの互換性」という逃げ道を残した任天堂はある意味正解だったのかもしれませんが、それによって自らが提案する「新たな遊びの創造」の色を、自らの手で薄めてしまっているこの矛盾に対してどういった回答を見せてくれるか、それもまた見ものであるといえるわけです。

まぁ、結局何がいいたいかといえば、

「俺は両方買うよ」

ってことなんですが。