えいご漬け に見る携帯ゲーム機の多様化

上記ゲームをやり続けて約一週間、「やっぱりこのソフトはゲームじゃないな」と思っています。ひたすらに聞いて書き取るというストイックな内容は、ゲーム的な様式をとっているけど、あくまで英語練習の実用ソフトだと思います。

とはいえ、別にここでその是非とか「ゲームの定義とは何か」なんてことを語るつもりはありません。これはこれでありだと思います。っていうか、もはや携帯ゲーム機はそのスペックが、ゲーム用途だけにとどめて置くにはもったいない存在になっているんだと思います。この「えいご漬け」にしたって、例文音声の再生、書いたアルファベットの認識、時間の測定、レベルの判定などをゲーム機の性能をフルに使って自動化している、その恩恵はものすごく大きくて、この快適さを知ってしまうと、もうオーディオ機器と紙媒体のテキストには戻れないでしょう。ちょっと前でも同じことはできたのかもしれませんが、やろうとすると高価な専用端末が必要だったりして、とても手軽にはじめられるようなものではありません。それを安価に購入できて手軽に持ち歩けるデバイス、ゲーム機で作ったことの意義は高いのだと思います。それだけゲーム機のスペックも、別の用途に利用するに十分なレベルに達した、ということではないかと。

一方でバカ売れしている「」もそうですよね。ご年配の方にもえらく好評なようですが、「えいご漬け」よりゲーム的な要素は強いとはいえ、このソフト目当てにDSを買ったご年配の方々は果たして今後もDSをゲーム機として使っていくのでしょうか?いや、そもそもDSをゲーム機として認識しているのでしょうか?私の独断と偏見ですが、「」のカートリッジが刺さりっぱなしのDSが今後増えていきそうな気がします。

同じことは「えいご漬け」よりもむしろ、あまり話題になってませんけど「DS楽引辞典」の方が言えるのかもしれません。数千円のソフトを買うだけで、そこそこ使える手書き入力の辞書が実現できてしまう、ってのは、もっとメジャーになっていれば、いわゆる「電子辞書業界」的にも脅威の存在になりえたのかもしれません。

そういえば一方のPSPも、ゲーム機というよりむしろメディアプレイヤーとして重宝がられているという話を聞きます。実際、最近通勤電車でもPSPを良く見かけるようになりましたが、体感で半分ぐらいの人はビデオをみたり音楽を聴いたりしてるような印象です。思い出してみると、PSPの発表当時には当のSCEでさえ「これはゲーム機ではない」って断言してたんですよね。世間的にはやっぱりゲーム機としてしか見られてなくて、DSに惨敗とか言われちゃってますけど、ここまでリッチなデバイスがくっついて、これだけ普及してるワイヤレスコンテンツプレイヤークライアントって他にないわけで、この素性をもっとうまく生かせば面白いことが出来るんじゃないかなー、と思います。そういう意味で「ロケーションフリー」ソリューションってのは実にうまい。クライアントがパソコンとか専用端末では全然魅力が分からないですけど、もう持ってるゲーム機が使えるとなれば話は別、というのは、ベースステーションの売れ行きが好調であることからも見えてくるような気がします。

というわけで、せっかくのハイスペックガジェットなんだし、DSもPSPももっといろんなことじゃんじゃんやっちゃえ!と思うのでありました。