E3カンファレンスに想う

プラットフォームホルダー3社のカンファレンスが終わったところで、思ったことをつれづれと。


今年は最終的に「3DS」が全部かっさらっていきましたなぁ。「任天堂が」じゃなくて「3DSが」。


正直、3DS裸眼立体視機能は本命じゃなくて、何か別にすごい機能を隠しているんだとおもっていたので、直球の裸眼立体視アピールが来たときはびっくりしました。そこまで本気だったんだ…。でも自分としては3DSの本当に衝撃的な部分は裸眼立体視ではないと睨んでいます。そもそも立体視のレベルを変化させられる=立体視機能をOFFできるってことは、裸眼立体視ありきのゲームデザインができない、という事にもつながるので、魅力アップにはつながれど「結局はあってもなくてもいい機能」になってしまうのではないかと踏んでいます。


一方で私が気になっているのは、3DSのスペックそのもの。画面解像度、画面サイズ、グラフィック性能、アナログスティックデバイス、そしてUMDを超えるカートリッジ容量…とほぼPSPと並ぶ性能が実現出来ているんですよね、3DS。今までは「性能の低いDSはカジュアルユーザ向けで、コアゲーマー向けはPSP」という住み分けが出来ていたわけですが、3DSの性能ならPSPクラスのゲームは作れてしまう(かもしれない)わけで、となるとこのバランスが崩れる、つまりPSP向けに開発していたメーカーが3DSになだれ込む、といったことも考えられそうです(事実、発表されたサードパーティのタイトルはすでにその傾向が見て取れますね)。つまり、いよいよもってPSPは一気に止めを刺される可能性も…立体視うんぬんより、そっちのほうがSCEには脅威でしょうね。もっともPSPも発売してもう6年。そろそろ次のステップへ向かうのかもしれませんが(本当にPSP2を開発してるのならば…)。


そんな3DSを尻目にWii…は今回は全然弱かったですな。新作「ゼルダ」はまたモーションコントロールですか…「トワイライトプリンセス」での操作の一体感の無さに辟易していた身としては、ちょっと考えていただきたかった…。モーション+で精度は上がってるんでしょうけど、ミヤホンのデモを見ると不安ばかり(あれは完全に失敗プレゼンでしたな)。


それにしても今回の任天堂ハードの発表タイトル、ちょっと過去のブランドに頼りすぎじゃないすか?Wii3DSもやっぱりマリオにゼルダメトロイドドンキーコングどうぶつの森…。まぁそれで売れるんだからいいんでしょうけど、にしてもねぇ…一昨年秋の新規タイトル攻勢(id:fukutake:20081003#p1)に期待していた身としては残念至極。まぁ、あのときの「ケンサクス」=「安藤ケンサク」が売り上げ的に失敗してる現実を見ると、そういう路線に走るのもしょうがないのかな、と思うところではありますが、DS、Wiiで目指した新規路線へのギブアップ宣言とも見れなくもないですな。


一方でMSとSCEのカンファレンスの寒いこと…。まぁ、「Natal=Kinect」も「PlayStation Move」もぶっちゃけ去年のE3のネタをそのまま引っ張ってるわけで、そりゃ盛り上がらんわな、と。特にSCEはせっかくの「PS Move」も精度があがっただけで結局Wiiリモコンとの差異化が全くできていないわけで、見ていて「もういいよ…」って気分になってしまったのが正直なところ。あんなんでいいと本気でおもってるんでしょうかね?


とはいえ、発表されたタイトルも日本ではあまり受けなさそうなものばかりでしたが、それでも現地のリポートとかを見てるとそこそこ盛り上がってはいたようですね。まぁ海外マーケットがターゲットである以上、今回のカンファレンスは正しい形だったのかもしれませんね。でもやっぱりちょっと寂しい。その辺は東京ゲームショウに期待ですか。