夏だ!一番!ファンタジーゾーン祭

PS2の「ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」発売のニュースを聞いて以来ずーっと、地味に「ファンタジーゾーン」熱が高まっておりまして、ちょうど自宅のゲーム部屋のセッティングが一段落していろいろな機種を手軽に起動できる環境が整ったこともあり、ならば今日は!と、家にある「ファンタジーゾーン」をかき集めて全部プレイしてみることにしました。

題して「夏だ!一番!フクタケ的ファンタジーゾーン祭」

ファンタジーゾーン

初めて家庭用に発売された「ファンタジーゾーン」ですね。当時のアーケードでは体感ゲームを始めとしたセガのゲームが一段と輝いており、そんな中発売されたマークIII版「ファンタジーゾーン」。このゲームだけじゃなく、マークIIIには無謀とも思えるアーケード移植作がたくさんあって、当時は根っからのファミッ子(今風にいえば妊娠)だった私にはうらやましくてうらやましくれたまらない状況でした。いろんな部分でダウンサイジングされているとはいえ、オパオパのポップな色使いが再現されている画面の「ファミコンでは到底真似できない」美しさにあこがれつつ、ライバルハードのゲームは絶対にファミコンではプレイできない、というあきらめ心で指をくわえてみているしかない状況でした。

そんなマークIII版を実際にプレイできるようになったのは、だいぶ後のこと、社会人パワーでハードを集めだした頃ですね。「クラブンガー」と「ウインクロン」が「ウルトラスーパービッグマキシムグレートストロングトット」と「dz・デノ・ローマ」になってますが、私はむしろ、その2体のボスが苦手だったりします。

ファンタジーゾーン

発表された当時のことを今でもよく覚えています。最初は、まさかセガのゲームが発売されるとは…という驚きと、「FCじゃあ画面も汚くなるだろうし、ゲームもショボくなるんだろうなぁ」というなんとなくあきらめ感を覚えながら記事を読んでいましたが、続報が出るたびにFCとは思えないほど原作を再現した画面が公開されて、ものすごく期待度も高まりました。TV CMで出ていたカケフ君を見るたびに「こいつ絶対もうプレイしてるんだろうな、キー!!」とか思うぐらい。

「クラブンガー」と「ウインクロン」が再現されているところだけでなく、画面全体のデザイン、前線基地が浮遊しているところなんかも含めて、明らかにマークIII版に圧勝していた完成度だと思います。色数では勝てなかったけど、少ない色数であのオパオパのカラフル感を表現していたのは見事でしたねぇ。

ファンタジーゾーンII オパオパの涙

マークIIIの本領発揮といったカラフルな画面…でしたが、ワープゾーンを行ったり来たりするゲームシステムは複雑で、しかも敵を倒して出てくるお金がお札になってたりして、ゲームデザインとしては微妙にパチモンくさい雰囲気を感じてしまいました。面白いんですけど、オリジナルのシンプルさ、ストイックさがスポイルされちゃった感が強いなぁ、と。でもなんとなく、個人的には放っておけないいとおしさみたいなのもあるんですよね。

ファンタジーゾーンII オパオパの涙

まさかの続編もFCでリリースされたわけですが、初代のときの見事にツボを抑えた移植に比べると、なんとなく微妙な出来。画面の色使いとかがんばっているのは分かるんですが、いろんなところにセンスの悪さを露呈しているような感じです(パレットの限界とかなんでしょうけど)。

特にオパオパの色使いが

これってのはないよなぁ、と。前作を移植したあのセンスのよさはどこへ?といった感じですね。ゲームそのものはそれなりに表現されているみたいですけど、なんとなくマークIIIには手が届かない、ファミコンの限界を感じた一作でした。

ファンタジーゾーン

個人的にあまり思い入れはないのですが、8bitのゲーム機では最高の出来だったと思えるPCエンジン版。NECアベニューは移植のセンスがいいメーカーでしたね。ただ、あちこちで言われているように音楽の出来はイマイチ、というか、まったく別のアレンジでPCエンジン版の音楽として作ってる感じがします。

スーパーファンタジーゾーン

メガドライブで新たに作られたオリジナル作品。ゲームのルールこそ同じながら、ステージ構成、デザイン、ストーリー、キャラなどは全く別物。とはいえ、それなりにオリジナル版を意識してデザインされているので、これはこれでアリかなーという気がします。特に隠しコマンドで鳴らせるオリジナル版BGMの完成度の高さは必聴の価値アリ。ホンモノそっくり移植のなかった当時としては、その再現度の高さに度肝を抜かれたのを覚えています。

PlayPal版FANTASY ZONE

id:fukutake:20071003#p1で触れた海外のポータブルマシン内蔵版「ファンタジーゾーン」ですが、基本的にマークIII版です。出先でプレイ出来る唯一の「ファンタジーゾーン」かと…って、PCエンジンGTがあるじゃないかって?

PlayPal版FANTASY ZONE THE MAZE

同機には「オパオパ」の海外版も入ってます。こんなタイトルだったんですね。ちなみに私、マークIII版は残念ながら持ってません。そのうち買おうかしら。「ギャラクティックプロテクター」もいっしょにね!

ファンタジーゾーン

セガサターンセガエイジスで発売されていたもの。移植はかの「るつぼチーム」が担当しているそうで、現段階では家庭用でプレイできる最もオリジナルに近い「ファンタジーゾーン」だと思われます。アレンジ版音楽の収録やリプレイの保存機能などは、X68k版(後述)のエッセンスを受け継いでいるとも見えますね。隠しメニューで完全にアーケードと同じ仕様(AGESロゴなし、「INSERT COIN」表示付き)に出来るところとか、アーケードゲーマーの琴線に触れる、実によい機能ですな。

さらにバーチャスティックでプレイすると、ほぼオリジナルの気分を満喫できます。

ファンタジーゾーン

3Dエイジスから発売されていたアレンジ版。オリジナルのデザイン、ゲームシステムを踏襲しつつグラフィックを完全ポリゴン化し、アイテムやオリジナル面を追加してあります。実は、個人的には結構気に入ってるんですヨ。ポリゴン化のセンスもよくて、追加アイテムやオリジナル面のデザイン、音楽もオリジナルのイメージを壊すことなく出来ています(これは実に見事)。ちょっと追加ボスはトリッキーすぎる気もしますが…。

ただ、見た目こそ似ているだけに「似て非なる面」が気になるのも事実。特にプレイしたときの感覚が微妙に違うのが、なまじ見た目が似ているだけに難点かなぁ。オパオパの動きが妙に速く感じたり(オリジナルでノーマルエンジン派の私でも、ビッグウイングで充分)、ボムが微妙に前に飛びすぎたり(コバビーチとかウインクロンで感覚が合わない)、クラブンガーにスマートボムが効かなかったり(さすがにこれは攻略パターンが崩れるので困る)、と。あとは、面間でのロードはやっぱりテンポが乱れますね。

ボツゲー「スペースファンタジーゾーン」を彷彿とさせる3Dステージにワクワクしましたが、プレイしてみるとそんなに面白くもないのが微妙に残念。

ただ、オリジナルがあらためて発売される今となっては、これはこれとして楽しめばいいと思います。

ファンタジーゾーンギア

忘れてた…。ゲームギアのオリジナル版。画面が小さいせいかすごく狭く感じます。スクロールで出てきた雑魚に当たりすぎ。連射もしにくいし、実は一番難しい「ファンタジーゾーン」な気がします。

ファンタジーゾーン

大鳥居…じゃなくて大トリはこれ。電波新聞社の作品で、開発はおそらく後の「るつぼチーム」の方々が携わっていると思われます(電波ソフトのおなじみの方々ですね)(訂正、源平討魔伝の移植で知られるTONBE氏の作品でした…)。サターンが発売されるまでは(いや、今も?)最もオリジナルに近い移植作だったでしょう。個人的にも一番なじみの深い「ファンタジーゾーン」で、最終的にはFC版よりもたくさんプレイしてると思います。

移植度の高さもさることながら、追加要素がものすごく充実しており、中でもトレースプレイ機能はすばらしかったです。デフォルトで入っているプレイがものすごく上手くて、観ているだけでも飽きない、というか、自分のプレイスタイル(攻略法)も多大なる影響を受けました。「ゲームの攻略ビデオってこんなに役に立つのか!」ということに気づかせてくれた一本です。

また、「スペースハリアー」をモチーフにした「オリジナル面」の存在は今でも語り草になっていますね。この面をプレイするには

各ステージで、レーダーの右から(ステージ数)個目の前線基地を最初に破壊すると出てくるコインを7つ(「H」「A」「R」「R」「I」「E」「R」)集める

という条件をクリアする必要があります。実はこの「右から」ってのがポイントで、たいていの面で目的の前線基地まで移動してから攻撃を開始しなければならないので、通常のプレイスタイルでは実現できず、獲得コインの額も減ってしまうので、なにげにかなり大変だったりします。プレイにハマっていた当時は全面をクリアすることすらままならない程度のショボイ腕前だったので夢のまた夢だったんですが、なんとなく「連射付きスティック使えばなんとかなるかも!」と思い、わざわざアタリ仕様の連射パッドを入手してチャレンジしてみました。

…プレイすること7、8回目

ついにそろいました。やれば出来る子なんですボクチン!

というわけで、夢にまで見た「ドラゴンランド」をついにプレイできましたよ。

こんな感じ。BGMはファンタジーゾーン音源を使った「スペースハリアー」のメインテーマ、キャラも全部「スペースハリアー」に出てくるキャラ、とものすごく凝っております。スケッグにルーパーにトモスも飛んできて、前線基地のスタンレイからはドムが降ってくる…と本当に細かいとこまでこだわってます。ファンタジーゾーンスペースハリアー双方への愛があふれていますね。当時の電波ソフトってこういうツボをちゃんと分かってるのが好きでした。

前線基地を全部倒すと、天井が下がってきてビーンビーンが高速で飛んできます。そしてボスはオクトパス、テトラ、ローリーズ、アイダのボスラッシュモード状態。ちなみに私はアイダでやられてしまいましたが、この面の前線基地は10万ドルのコインを出すので、クリアすると残機買い放題です。

結構やりこんで出せるパターンを見極めたので、今後もがんばればまた出せそうな気がします。ポイントは7面、7つ目の前線基地を探すと、そこにはなんと縦に2個の基地が並んでいます。下のほうが7つ目の前線基地になりますので、間違えて上から先に壊さないようにしましょう(私は3回ぐらい間違いました…)。


というわけで、最後は20年越しぐらいの夢を実現できて満足しましたヨ。いやー、やっぱりX68k版すごい。コンプリートコレクションもこれに負けないぐらいすごい出来だといいなぁ、と思いつつ期待しておこうと思います。

追伸:気になる方は、ニコニコしながら検索するとそれっぽい動画が観れたりするみたいですヨ。

以上で、勢いに任せて書いたファンタジーゾーン祭、おしまい。